公務員がイラストレーターの副業をするのはアリ?実例をもとに解説します

公務員の副業
公務員
公務員

公務員だけどイラストレーターの副業をしたいです。

できますでしょうか?

パンダくん
パンダくん

結論から言うと、イラストレーターとしての稼ぎ方によって OK or NG が分かれるよ!

というのも、一口にイラストレーターといっても稼ぎ方はいろいろあります。

  • イラスト制作を受注する人
  • 同人誌を書いて売る人
  • イラスト販売をする人
    etc…

そして、それぞれの稼ぎ方を公務員法と照らし合わせたときに、この稼ぎ方はOKだけど、この稼ぎ方はNGという風にパッキリ分かれるのです。

公務員の中にはイラストを書くことが趣味の方や、学生時代はイラストを生かして同人活動をしていたという人も結構いらっしゃいます。

そこで今回は、公務員の副業を調べ尽くして、試し尽くした自分が次の疑問にお答えしていきます!

  • イラストレーターの稼ぎ方とは?
  • 公務員でもできるイラストレーターの稼ぎ方とは?
  • 公務員がイラストレーターの副業を認めてもらうコツとは?

イラストレーターの7つの稼ぎ方

ご存知のとおり日本では表現の自由が保証されていますので、イラストを使った表現活動は公務員でも認められています。

ただし、金銭的な利益を得るとなると話は別です。

公務員は、次の法令の通り自ら稼ぐことが規制されているからです。

(私企業からの隔離)

第百三条 職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。

 前項の規定は、人事院規則の定めるところにより、所轄庁の長の申出により人事院の承認を得た場合には、これを適用しない。

 営利企業について、株式所有の関係その他の関係により、当該企業の経営に参加し得る地位にある職員に対し、人事院は、人事院規則の定めるところにより、株式所有の関係その他の関係について報告を徴することができる。

 人事院は、人事院規則の定めるところにより、前項の報告に基き、企業に対する関係の全部又は一部の存続が、その職員の職務遂行上適当でないと認めるときは、その旨を当該職員に通知することができる。

 前項の通知を受けた職員は、その通知の内容について不服があるときは、その通知を受領した日の翌日から起算して三月以内に、人事院に審査請求をすることができる。

 第九十条第三項並びに第九十一条第二項及び第三項の規定は前項の審査請求のあつた場合について、第九十二条の二の規定は第四項の通知の取消しの訴えについて、それぞれ準用する。

 第五項の審査請求をしなかつた職員及び人事院が同項の審査請求について調査した結果、通知の内容が正当であると裁決された職員は、人事院規則の定めるところにより、人事院規則の定める期間内に、その企業に対する関係の全部若しくは一部を絶つか、又はその官職を退かなければならない。

出典:e-Gov国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000120#707

(営利企業への従事等の制限)

第三十八条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。ただし、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。)については、この限りでない。

 人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。

出典:e-Gov地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000261#382

さて、イラストレーターの稼ぎ方には大きく分けて7種類あります。

それぞれを公務員法に照らし合わせたときに、やってもOKなのかNGなのか?

さっそく見ていきましょう!

ストックフォト

PIXTAやAdobe Stockが有名ですね。

イラストをPIXTAやAdobe Stockに登録し、そのイラストが購入・ダウンロードされるたびに利益が得られる仕組みです。

購入・ダウンロードされたイラストは、購入者の個人的な用途だけではなく、有名企業のサイトやテレビCMなどで利用されることもあります。

イラストを書いて登録、あとはほったらかしなのでかなり楽です。

パンダくん
パンダくん

とはいえ競争が激しく利益も薄いので、あまり旨味は感じられないかも・・・

で、このストックフォトですが公務員法的にはほぼアウトです

なぜならば、営利を追求して定期的・継続的に⾏うものだと客観的に解釈されるからです。これは公務員法で規制されている「自営兼業」に該当してしまいます。

ストックフォトで大きく稼ぐのは難しいので、そもそも手を出す方は少ないとは思いますが、一応アウトなんだということは肝に銘じておいてください。

コミュニティ収入(FANBOXなど)

有名なイラストレーターはファンが多いので、PIXIV FANBOXなどの有料オンラインコミュニティを開いていることがあります。

会員はオリジナルのイラストなどを閲覧できる仕組みです。

お察しの通りこれは明確に営利目的なので、どう頑張っても公務員にはできません。

FANBOXなどのオンラインコミュニティではなく、ファンクラブなどの収入も同じ理由でアウトです。

クラウドソーシング

ココナラやクラウドワークスなど、個人のスキルを売買するクラウドソーシングが流行っています。

有名なクラウドソーシングサービス

中にはイラスト制作を受注して稼いでいる方がたくさんいらっしゃいます。

では、公務員がこのようなクラウドソーシングサービスに登録して仕事を受注してもいいのでしょうか?

結論から言うと、残念ながらアウトです。

なぜならば、公務員法で規制されている「自営兼業」に該当する可能性が極めて高いからです。

このようにクラウドソーシングでイラスト制作を受注する稼ぎ方は、自ら仕事を募集している時点で営利目的だと客観的にみなされるため、アウトです。

パンダくん
パンダくん

本人がいくら営利目的じゃないです!といったところで、客観的に営利目的だとみなされれば即アウトだから気をつけて!

イラスト販売

ストックフォトは電子的なイラストでしたが、こちらは物理的なイラストを販売する稼ぎ方です。

展覧会や画廊、フリマアプリなど、販売方法は様々です。

で、これがアウトかどうかは判断が非常に難しいところで、職場によってOKとNGどちらもありえます。

パンダくん
パンダくん

詰まるところ、あなたの勤務先次第だね!

先程紹介したストックフォトは、利益を得ることができるサービスに登録している時点で明らかに営利目的が先行していると見なされますが、物理的なイラスト販売は表現活動の結果、創作物に価値がついた、という文脈として捉えることもできるからです。

ある公務員イラストレーターがインターネット上にイラストを公開したところ、原画を〇〇円で買い取りたいというDMがきたので売った。これは職場に確認したらOKだった。しかし、最初から原画を〇〇円で販売したらNG。みたいな事例を伝え聞いたことがあります。

自ら主体的に販売するのはNGですが、相手方から買取依頼がくれば許可される可能性もあるかもしれないです。

同人誌販売

コミックマーケットなどの同人誌即売会で同人誌を販売することは、比較的認められやすいです。

なぜならば、営利目的というよりも個人の表現活動の結果、副次的に利益を得ていると解される可能性があるからです。

パンダくん
パンダくん

とはいえ、最終的にはあなたの勤務先の判断次第!

「全然OKだよ〜!」という職場もあれば、「なんだか知らんがとにかくダメ!」というお硬い職場もあります。

中にはめんどくさがって職場に黙って同人誌を売っている人もいるようですが、原則として職場の確認はとるべきです。

もしダメだと言われても、キチンと説明すれば意外と許可してくれるケースも結構あるようです。

私の友人には、「同人誌制作にかかった費用を回収する程度の値段なら販売しても文句ないだろ!表現活動の趣味を否定する気か!?」といって職場を説得した人もいます笑

パンダくん
パンダくん

そもそも副業作家として印税収入を得ている公務員がいるのに、同じく表現活動である同人誌はNGというのも理屈に合わないよね!

イラスト講師

イラストの描き方を教える講師として副業する方法です。

最近は漫画やイラストを描けるようになりたい!という人が増えていますので、意外と需要があったりします。

とはいえ、ただ単にイラスト講師をやりたいといっても営利目的とみなされて認められないでしょう。

そこで、地域のこどもや老人向けに開くなど公益性をアピールすれば認められやすいです。

その際、あなたの意思というよりは、地域の人達からの要望があるから始めてもいいですか?といったストーリーがあると強いです!

単発のイラスト制作依頼を相手方から受ける

SNSなどでイラストを公開していると、「こんなイラストを書いてほしいです!」「ロゴをつくってもらえませんか?」といった要望がきたりします。

中には、「お店のチラシに使いたいから、こんなイラストを書いてくれませんか?報酬は出します!」といったように、お金をいただける案件につながることもあります。

こうした単発の案件は、公務員人事の大ボスである人事院が出したガイドラインでも認められるとされています。

【照会例 12】
Q. 単発的に講演を依頼され講演料を得た場合や、研究成果等を雑誌等に単発的に発表し報酬を得た場合などは、第 104 条の兼業に該当しますか。

A. 第 104 条における「事業に従事し、若しくは事務を⾏う」場合とは、「国家公務員としての職務以外の事業⼜は事務に、継続的⼜は定期的に従事する場合」を⾔いますので、上記のような単発的に従事する場合は、第 104 条の兼業に該当しません。 

出典:「義務違反防止ハンドブックー服務規律の保持のためにー」(https://www.jinji.go.jp/ichiran/ichiran_fukumu_choukai.html)、太字は当サイトによる

ちなみに、イラスト講師のお仕事も単発ならば兼業にあたらないため許可なく受けることができると考えられます。

ただし、連載など定期的・継続的に報酬を受取る場合は、職場の許可が必要ですのでご注意ください。

ちなみに継続的にイラストレーターとして報酬を受取る(兼業する)場合の許可基準が以下の通り明確化されました。

○許可されるケース
×許可されないケース
  • 兼業時間数の基準
    ・週 8 時間または 1ヶ月30時間を超えない
    ・ 1 日 3 時間を超えない
  • 兼業先の基準
    ・行政機関はOK
    ・公益、福祉、医療法人は、活動実績の確認等が必要
    ・それ以外の非営利団体は、活動実績の確認等を厳格化
  • 報酬の基準
    ・社会通念上相当と認められる程度を超えない額
  • 兼業のため、職務の遂⾏に⽀障または能率に悪影響が⽣ずると認められるとき。
  • 兼業しようとする職員が在職する国の機関と兼業先との間に、利害関係等があるとき。
  • 兼業する事業の経営上の責任者となるとき。
  • 兼業することが、国家公務員としての信⽤を傷つけ、または官職全体の不名誉となるおそれがあると認められるとき。

参考にして作成:閣人人第225号「職員の兼業の許可について」に定める許可基準に関する事項について(通知)(https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_e.html

パンダくん
パンダくん

自治会の会報、教育機関が発行する雑誌、まちおこしの広報誌など、公益性が高いものなら認められやすいみたい!

クラウドソーシングのように自ら仕事を取りに行くのはアウトですが、たまたま相手方から仕事を依頼されたということならばOKの可能性は高いようです。

公務員がイラストレーターとしての副業を認めてもらうコツ

以上をざっくりまとめると次のとおりです。

○ イラスト講師(単発)
○ 相手方からのイラスト制作依頼(単発)

△ イラスト販売
△ 同人誌販売
△ イラスト講師(継続)
△ 相手方からのイラスト制作依頼(継続)

× ストックフォト(Adobe Stockなど)
× コミュニティ収入(FANBOXなど)
× クラウドソーシング

ほぼ確実にNGといえるのが、営利目的が先行している稼ぎ方です。Adobe StockもFanBoxもクラウドソーシングも、営利目的ではありません!と言い切るのは非常に難しいと思います。

一方で、同人活動や講師、相手方からのイラスト制作依頼などは、勤務先の判断次第ではありますが認められる可能性があります。

パンダくん
パンダくん

重要なのは、利益を得るに至るストーリーだよ!

「趣味の範囲でイラストレーターをしていたが、結果として多少の利益を得る可能性ができた」といったストーリーが必要です。

表現活動の結果、副次的に利益が発生したというニュアンスです。

この他にも、地域や住民のニーズに応えるためにイラスト制作やイラスト講師を行う、といったストーリーも強いです。

とはいえその場合、制作費+αの利益を得ることしか認めてくれないことが多いでしょう・・・

したがって、副業としてある程度稼ぎたいなら、単発でのイラスト制作を複数受けることや、公益的な団体に対して継続的なイラスト制作を受けるというのが現実的です。

自分から仕事を募集するクラウドソーシングと違って、ひたすら依頼がくるのを待つことになりますが、人とのご縁から思わぬ依頼を受けることもあります。

ただ正直、公務員がイラストレーターとして稼ぐのは難しいと言わざるを得ません。

次の記事にあるとおり他の副業を探してみるのが良いかもしれません。思わぬ発見があると思います!